形成外科の役割
患者の生活の質を向上させるために、神経繊維腫の切除手術は欠かせない。
しかし、次のような理由から医師側の手術の積極性を低下させる。
切除しても再燃する、根治できない、数が多すぎ、いちどに多く切除してもそれに見合った手術料が支払われない、びまん性神経繊維腫は大量出血をすることが多い
1 多発性の神経繊維腫
現時点ではっきりとした根拠があるわけではないが、同病の患者の傷は綺麗に治ると昔から形成外科医の間では通説。
小さな神経繊維腫が多発する症例では、二酸化炭素レーザーなどで隆起部分を切除し、創傷被覆材や軟膏処置による二次治癒で上皮化を促して良好な結果が得られる。
2 びまん性神経繊維腫
びまん性神経繊維腫の合併率は 10%で、6歳ごろから発症する可能性がある。
大型のカフェオレ斑は、徐々に同部がびまん性の神経繊維腫を生じる場合が多く、注意深く経過観察を行うことが望ましい。
びまん性神経繊維腫は術中や術後に出血することがある。
これは病変部が血管豊富であり、またスポンジ状の脆弱な組織であるため血管が切れると柔らかい組織の中に引き込まれて止血操作に難渋する事が原因と考えられる。
このため、自己輸血の用意や適切な止血操作、さらには新たな手術の工夫が必要とされる。
新たな手術の工夫として
Ligasure(COVIDIEN社)を用いた施術。
⭐️⭐️⭐️
慶応技術大学医学部形成外科教室、立川病院形成外科の「神経繊維修一型の外科的治療」と
を参考に記載した